コンタックスT3を5年使った私が全てをまとめて魅力を語る

みなさんはコンタックスT3という最強のコンパクトフィルムカメラを知っていますか?

そのスペックや出で立ちからフィルムカメラのRX1とも言われるこのカメラ。2001年というフィルムカメラ最後期に出現した高級コンパクトフィルムカメラです。

フィルムカメラ最後期に登場した上に金に糸目を付けない高級カメラということでその写りや機能性は抜群。今でも根強いファンが居る一台です。何を隠そう私もコンタックスT3の大ファンで何年も使い続けています。

今回はそんなT3の魅力についてお話したいと思います。人を惹きつける魅力があるこのカメラ。購入を検討している方もただ興味がある方も最後まで見ていただいてコンタックスT3を買いたくなっていただけたらと思います。

コンタックスT3のコンセプト

あなたはフィルムカメラをどういう風に使いますか?

趣味でぷらぷらと散歩のついでに持ち歩くとか旅行のオトモとかデジタルのサブにとかそういった感じの人が多いのではないでしょうか。

こういった気軽にフィルムカメラを使いたい人にはT3は最高の相棒になります。

このカメラは『持つ喜び、使う喜び、すばらしい写真を手にする喜び』の基本思想のもと、普段はごく簡単に気軽に撮影ができ、ここぞというときには撮影意図に合わせた撮影ができるカメラです。

 

これはコンタックスT3の説明書の冒頭に書いてある言葉です。

まさにこの思想を具現化したカメラがコンタックスT3です。いつでもどこでも持ち出せるコンパクトなボディ。撮りたい時にすぐに撮れるPプログラムオートモード。それでいて写りは最高。撮影にこだわりたいときは絞り優先モードやシャッタースピードの調整機能を使える。

普段遣いにピッタリの機能性抜群の高級コンパクトカメラです。

スペック一覧

どんなカメラかを掴んで貰うためにまずはスペック表を載せたいと思います。

レンズ ゾナーT*35mm F2.8 4群6枚
絞り F2.8 ~ 16
絞り羽根 5枚羽根
撮影範囲 0.35m ~ ∞
シャッタースピード 16秒~1/1200秒 (絞り開放時最速1/500秒)
露出制御 プログラムオート、絞り優先オート
露出連動範囲 EV-1~EV18
露出補正 ±2EV (1/3ステップ)
フィルム感度 自動セット
フォーカスモード オートフォーカス、マニュアルフォーカス
ファインダー型式 倍率:0.5倍、視野率:85%
フィルム装填 オートローディング式(自動空送り機構付)
フィルム巻き上げ 自動巻き上げ
フィルム巻き戻し オートリターン/オートストップ機構、途中巻き戻し機構
電池 3Vリチウム電池(CR2)1本
寸法 (幅)105×(高さ)63×(奥行き)30.5mm
重さ 230g
発売日 2001年3月4日
価格(税別) 98,000円

特筆すべき点は

  • レンズがスナップ向きで良い
  • AFは遅いけど正確
  • (コンパクトフィルムカメラにしては)高速なシャッター
  • 絞り優先モード搭載
  • 豪華な操作性
  • コンパクトなサイズ

こんなところでしょうか。1つずつ順に見ていきたいと思います。

写りが魅力的

コンタックスT3が評価されている一番の理由はこの写りにあります。

どれだけ軽くてコンパクトで操作がしやすくてもカメラとしての評価を決めるのは写り。コンタックスT3はコンパクトフィルムカメラの中で一番と言ってもいい写りをするカメラです。

レンズは 35mm F2.8 Sonner *T カールツァイス製

写りを決めるレンズはカールツァイス製のレンズ。ツァイスと言えば古くからあるレンズの銘メーカー。今日のデジタルカメラでもツァイスは銘レンズを数々生み出しています。

レンズのスペックもスナップ向きで万人におすすめできるものです。コンタックスT3のレンズは35mm F2.8。35mmという使いやすい焦点距離にF2.8という明るさを持つレンズです。

写りは優等生タイプ。見たものを端正に写し込みます。作例を見ながらレンズの良さを解説していきたいと思います。

作例

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解像感が高くてピシッと写ります。細かい線を持つ建造物なども線を書き分ける力があります。観覧車の腕も一本ずつしっかりと書いていますね。

使っているフィルムについて
作例のフィルムは基本的にFUJIPRO400Hです。ISO400のフィルムでの解説になっています。一般的にISO感度が高くなるほどノイズが乗り、解像感も損なわれます。それを踏まえた上でご覧ください。

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現像の仕方にもよりますが色ノリが良いです。木々の色ノリ見てください!

しかも様々な色を描き分けています。光が当たっている場所、当たっていない場所、木々の折り重なりでできた影。ラティチュードが広くて多くの色を描き分けられるのはフィルムカメラの特徴だと思いますがコンタックスT3は色ノリが良いことで更に多くの色を描き分けることができる印象です。

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雰囲気を写すのが上手なカメラです。その場の空気感を写し込むというか、思い出を写し込むというか。この時の寒さや少し陽が出てきた嬉しさ、雪の京都に出会えた嬉しさなどがこの写真を見ると蘇ってきます。

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ヘルメットの色ノリの良さはモチロンの事、後ろの木々のボケを見てもらえましたでしょうか?ざわついていません。このように後ろボケの素直さもT3のレンズの魅力です。

ポートレートを撮った時などでもピント面がしっかり解像する事とボケが素直な事が合わさって浮き立つような写真を撮ることができます。

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このカメラはかなり寄れます。最短撮影距離は35cm。テーブルフォトもお手の物です。

前ボケも素直です。後ろボケは良いけど前ボケはざわつくというレンズは結構ありますがこのレンズは前ボケもとろけるような素直さ。フルサイズのフィルムにF2.8のレンズなのでわりと前ボケが表現として使えます。その前ボケが素直なのは嬉しいポイントです。

作例が下のリンクの記事にもあります!気になる方はぜひ見てください。

コンタックスT3と雪の京都。作例多数! コンタックスT3の作例!良い写真とは何か?[CONTAX]

AFや撮影モードなどの細かい機能が洗練されている

写りが良いレンズとともに大事なのがAFの正確さや撮影モードの多彩さ。

いくらレンズが良くてもAFが合わなかったりプログラムオートしか無くて絞りが自由に開けられなかったりと機能面で損をするフィルムカメラが多いです。古き時代のカメラなので仕方ないかもしれませんがコンタックスT3には関係ありません。作り込まれた機能性でその表現を広げる事ができます。

AFは遅いけど正確

AFについてはピントを合わせるのにしばらく時間がかかりますが正確です。ポートレートなどで後ろとの距離がある時でも正確にピントを合わせたいところに合わせてくれます。

フィルムカメラは現像するまでピントが合っているか分からないのでAFの正確さはかなり大事なポイントだと思います。

1/1200まで使える高速シャッター

今でこそ1/8000のシャッターが普通になってきていますがコンパクトフィルムカメラでは1/1200のシャッターが使えれば十分高速です。

注意
F2.8のときは1/500までのシャッターしか使えません

撮影モード

撮影モードはプログラムオートの他に絞り優先オートを使うことができます。絞り開放にして背景をぼかしたり、反対に絞りを絞って風景をピシッと撮ったりということができます。

絞り優先モードがあることで撮影の幅が広がります。

フラッシュ発光禁止モード搭載

フラッシュの発光禁止設定ができなかったり、起動の度に設定しなければいけなかったりするカメラが多いですがT3は設定を記憶させる事が出来るので一度の設定でずっとフラッシュ発光を禁止することができます。

露出補正

露出補正を±2EVの範囲で行うことができます。

##操作性の良さも魅力

モードボタンとモードダイヤルによる操作性の良さも魅力です。

Dialt3

例えば露出補正をしたいときはモードボタンを1回押せば露出補正モードになりモードダイヤルを回すことで露出補正を行うことができます。

モードボタンを2回押せば長時間露光モードになり何秒シャッターを開けるか選ぶことができます。ディスプレイが付いていることで視認性も良いです。

また露出補正をかけたときに次の一枚だけ露出補正をするのか設定を直すまでずっと露出補正をするかを設定することができます。このような細かい設定を行えるのもT3の魅力です。

フィルムの巻き上げや巻き戻しがほぼ自動

フィルムを入れると自動で撮影が出来る状態まで巻いてくれます。写真を撮った後、次の写真を撮るのに必要な巻き上げも自動で行ってくれます。さらにはフィルムを撮りきれば自動でパトローネに巻き戻してくれます。初心者でもほぼボタンを押すだけで写真を撮ることができます。

すごいのはパトローネに巻き上げるときにベロまでしまいきるかベロを少し出した状態で止めるかも設定できることです。こんな細かい事まで設定できるとは舌を巻きます…。

コンタックスT3はデザインが魅力的

正面

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背面

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側面

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上面

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魅惑のデザインです。ご飯3杯デザインで食べられます。

角の尖った四角のボディ。ダイヤル類もボディ上面のみでミニマルなデザイン。美しいです。

外装の金属はチタン。今やカメラに使われることは無くなった高級金属素材です。チタン独特の質感もT3の魅力です。

ちなみに正面から見たらクレヨンしんちゃんのぶりぶりざえもんに見えると言う人がいますがそう一度見えてしまうとずっとぶりぶりざえもんに見えます。

アクセサリ類について

T3にはいくつかのアクセサリ類が出ているので自分が使っているモノを紹介します。

フィルターアダプター

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T3にはレンズバリアがありますがあまり強い構造では無いのでフィルターで守りたくなります。コンタックスT3にフィルターを着けるにはフィルターと本体をつなぐアダプターが必要です。これはコンタックスT3専用のアダプターでなかなか手にはいりません

フィルターアダプターだけ買うと高額になることが多いので必要な人はアダプター付きのT3を購入したほうが良いと思います。

フィルター

フィルターとアダプター装着時

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フィルターは一般的に売られている30.5mm径のモノが使えます。

フィルターをつけると四角デザインは失われます。残念。

ケース

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革のケースです。T3をピッタリ包み込みます。本当にピッタリなのでフィルターを着けると入りません。フィルター無しでケースに入れるか、フィルターを付けてケースに入れずに持ち運ぶかのどちらかです。

わたしはフィルターを付けてケースに入れずに持ち運んでいます。その方がかさばらないですし撮りたいと思った時にすぐ撮れます。

T2との比較

コンタックスT3とよく似たカメラにコンタックスT2があります。このカメラはT3の一世代前のカメラで同じコンセプトで作られているのですごく似ています。

購入の時、この2機種で迷う人が多いと思うので比べてみます。結論から言うとT3がおすすめです。

まずはそれぞれのスペックを表にまとめてみました。

T3 T2
レンズ ゾナーT*35mm F2.8 4群6枚 ゾナーT*38mm F2.8 4群5枚
絞り F2.8 ~ 16 F2.8 ~ 16
絞り羽根 5枚羽根 7枚羽根
撮影範囲 0.35m ~ ∞ 0.7m ~ ∞
シャッタースピード 16秒~1/1200秒 (絞り開放時最速1/500秒) 1秒~1/500秒
露出制御 プログラムオート、絞り優先オート 絞り優先オート
露出連動範囲 EV-1~EV18 EV3~EV17
露出補正 ±2EV (1/3ステップ) ±2EV (1/2ステップ)
フィルム感度 自動セット 自動セット
フォーカスモード オートフォーカス、マニュアルフォーカス オートフォーカス、マニュアルフォーカス
ファインダー型式 倍率:0.5倍、視野率:85% 倍率:0.6倍、視野率:85%
フィルム装填 オートローディング式(自動空送り機構付) オートローディング式(自動空送り機構付)
フィルム巻き上げ 自動巻き上げ 自動巻き上げ
フィルム巻き戻し オートリターン/オートストップ機構、途中巻き戻し機構 オートリターン/オートストップ機構
電池 3Vリチウム電池(CR2)1本 3Vリチウム電池(CR123A)1本
寸法 (幅)105×(高さ)63×(奥行き)30.5mm 119(幅)×66(高さ)×33mm(奥行き)
重さ 230g 295g
発売日 2001年3月4日 1990年12月1日
価格(税別) 98,000円 120,000円

比べた時に特に気になるところを下に挙げます。

レンズ:写りの違い

レンズについては焦点距離が35mmと38mmでT3の方がより広角です。レンズ構成も違うので性格も違います。T3は優等生、T2はときおりハッとする写真を写せるとよく言われます。

レンズの味という言葉があります。解像感が高くなかったりボケが素直な方が性能的には良いんだけど、ボケの素直じゃなさは良い点ととることもできます。これがレンズの味です。T2とT3を比べるとT3の方が良く写ります。T2の方が癖がある。この癖がハマるといい絵になる。これがT2がときおりハッとする写真が写せると言われる所以だと思います。

写りの違いについては好みがあると思いますのでみなさんそれぞれでどちらの作例も見て判断すべし!だと思います。

レンズ:35cmまで寄れるのはデカイ

T3は最短撮影距離が35cmとT2の1/2の距離まで寄ることができます。35cmまで寄ることができればイスに座ったままで楽にテーブルフォトが撮れます。寄れて困ることはないので最短撮影距離が短いT3の方が良いです。

T3の方が小さくて軽い

サイズはT3の方が小さく、重さも軽いです。少しの差に見えますがボディが一回り小さいおかげでジャケットのポケットに難なくおさまり、コンデジ気分で使えます。T2の大きさだとポケットに入れるのは厳しいです。

T2とT3の大きさの違いはどちらを買うか決める上でかなり重要な点だと思います。写りは好みで選んでもらったら良いと思いますが取り回しの良さは間違いなくT3が上です。手軽に持ち出せるということを大事にするならばコンパクトなT3が良いと思います。

AFはT3の方が正確

スペック表には載っていませんが両機種ともAFは遅いです。

AFの正確性はT3の方が上です。T2でポートレートを撮るとピントを人に合わしたつもりが背景にピントが合ってしまうという事が多々あります(このような失敗をフォーカスがぬけるといいます)。T3ではフォーカスがぬけることがあまりありません。

このようにT3にはT2から進化した点がたくさんあります。おすすめはやはりT3です。

T3買おう。

どうですか?T3欲しくなりましたか?

T3にぞっこんなわたしですができるだけフラットな目線でT3の魅力を語ったつもりです。

 

T3購入のネックは値段だと思います。

オークションなどで見ているとT3はT2の倍くらいの値段を付けています。高いです。完成されたカメラですし、外国の著名なカメラマンがT3を使っていることから海外での人気も高くてT3の値段はどんどん上がっています。

個人的には倍のお金を払ってでもT3を買ったほうが写りや取り回しを考えると幸せになれると思います。T3についてはこれから価格が落ち込むことも無いでしょうし、資産と考えて持つならば実質0円なのでとりあえずT3を買ったら良いんじゃないかと思います。

フィルムカメラはきっと趣味の一品。そういうモノにこそこだわってお金をかけるべきではないでしょうか。