雪の京都と宵山 | 日帰り京都

2017年1月15日(日)。前日から降り続く雪が京都を真っ白に染めました。わたしは朝4時に起きて雪の京都の写真を撮りに行きました。

この日は記憶にないくらいの、記録に残る大雪でした。京都は年に数度、雪が降ります。でもせいぜい金閣寺を白くするだけで清水寺を白くすることはありません。この日の雪は清水寺のみならず、四条河原町も白く染めました。

05:00 四条河原町

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四条河原町は真っ白。はしゃぐ大学生と迷惑そうに足早に通り過ぎるサラリーマン。今日が休みで雪を楽しめる趣味を持っていてよかったと思いました。「うわあ。」と思わず感嘆が口から漏れます。いつもみているはずの景色に雪が降るだけでこんなにも感動できる景色になるのかと驚きました。30分ほど辺りをぷらぷらして清水寺に向かうことにしました。実は清水寺は6時から開いています。

06:00 清水寺

仁王門

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中門

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絵馬所

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清水の舞台

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遠景

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仁王門が出迎えてくれました。真っ赤な門と白い雪のコントラストが綺麗です。雪は10cmほど積もっており、しんしんと降り続いています。絵馬も雪に埋もれて別世界です。清水の舞台には「凍結注意」の文字とともにロープが張られており、中に入ることはできません。遠景は色がほとんどなくて水墨画のよう。ところどころに灯っている明かりがいいアクセントです。

まわりには数人のカメラマンがいて、みんな熱心にシャッターを切っていました。となりのおじちゃんに話しかけると「京都に住んでるがこんなに積もっているのははじめて。カメラマン冥利だよ。」とすごく嬉しそう。わたしもわかります、その気持ち。一生に何度出会えるかわからない景色を切り取っていく瞬間は本当に尊くて嬉しい気持ちになります。

Other Cuts

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07:30 清水寺を下る

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清水寺を1周して坂を下ります。下りながら気の向くままにプラプラしながらシャッターを切ります。どこをとってもいつもと違う景色で絵になります。気の向くままにカメラを持って散歩するのはいつも最高でこの日もしばらくの間プラプラ。人手も少しづつ多くなってきました。

08:00 ARABICA Kyoto Higashiyama

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あまりに寒いのでコーヒーショップへ。温かいカフェモカで暖をとりました。「%」のマークで有名な「アラビカ」さん。嵐山にもショップがあり、よくお世話になります。この日も大雪の中8:00から店を開けていただいていて、大変助かりました。店の馴染みの外国の方が店員さんにしきりに「Amazing!」と言っています。本当に綺麗ですよね、わかります。

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09:00 巽橋

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早起きは3文の得。といいますが朝はやく撮影をはじめるとまだこんな時間か。とお得に感じます。景色が格別ならその思いも大きくなります。まだまだ雪の京都を撮れるなあとしみじみ。東山から歩いて巽橋まで向かってみました。

フィルムカメラおじさん

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こんな日はたくさんのカメラマンに会いますが、その中でもひと際、目を引くカメラを持っているおじいさんがいました。三脚に大きなフィルムカメラをつけて撮影しているおじいさん。見た目もおしゃれな方でついつい話しかけてしまいました。聞けば、昔からこのカメラで京都を撮影していて、この大雪に興奮して撮りに来たとのこと。かなり歳の離れた方でしたが同じ気持ちで写真を撮りにきたと思うと、とても嬉しくなりました。

「このカメラすごいんやでえ、現像したらみせたいわあ。」と自信満々の面白い方でした。

山伏

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巽橋をプラプラ撮っていると修験をしている山伏の方がいらっしゃいました。なかなか見る機会がないので見入ってしまいました。雪の中の修験、大変そうです…。

Rising Sun

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なんと太陽が出てきました。天の恵み、カメラマン冥利です。巽橋周辺で光が回っている場所を探しました。木に当たった光が雪で反射して綺麗です。

10:00 再びの河原町へ

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晴れてきたし四条大橋からの鴨川の定番ショットを撮ろうと思い、四条河原町まで戻りました。四条大橋からの景色はまさに絶景。川沿いに並ぶカップルと遠くに見える緑の山々というショットも好きですがこの日は白に染まった河原と空の青が美しく、息を呑む景色でした。

こんな日でも鴨は泳いでいて、川沿いを歩く人も見えます。自然に根付き、生活に根付いている川だなあと改めて思います。街の真ん中にこんなに大きな川が流れていて憩いの場になっている大都市はあまりないと思います。お寺や神社をみてなにか心の奥底から湧き上がっていくる日本人的な心がありますが、わたしは鴨川にも同じ気持ちを抱きます。そんな鴨川の違った景色をみられてわたしはとっても幸せでした。

11:00 圓光寺

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河原町を後にして京阪電車・叡山電鉄と乗り継ぎ、一乗寺にある圓光寺に来ました。こんな大雪でも動いてくれていた電車に感謝です。

圓光寺は大好きなお寺です。新緑も紅葉も綺麗で畳に座ると額縁のように庭園を切り取って見ることができます。山手に登ってきたので雪の量も一段と多くなっています。雪の日に来たのははじめてです。まるでモノクロの世界。人もあまりおらず、「しん。」という音が聞こえるほどの静かさで心を落ち着けて景色を楽しむことができました。いつもは紅葉したもみじを頭にのせられているお地蔵さんもこの日は雪に埋もれていました。

11:30 詩仙堂

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お次は圓光寺の近くにある詩仙堂へ。徒歩3分ほどなのでいつも圓光寺とセットで回ります。この日も足を運んでみました。詩仙堂はガイドブックなどによく載っていますがわりと渋めのお寺だと思います。こじんまりしているし、紅葉のときもそれほどもみじが多いわけではありません。それでも人が訪れるのはここに侘び寂びのようなものが有るからでしょう。

雪が降ると侘び寂びの雰囲気は一段と増します。詩仙堂にはたくさん人がいましたがみんな一様に静かにしています。子どもも静かにしているので大したものです。眼の前のおじいさんを被写体にしました。雪の白・絨毯の赤・人を黒く落とし込んでできるだけ色数を抑えた写真にしました。

12:00 さらに北へ

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次はどこへ行こうか悩みましたが北へ向かってみることにしました。鞍馬や実相院・貴船神社も考えましたが人が多そうなので止めて三宅八幡にある蓮華寺に行くことにしました。

12:30 蓮華寺

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蓮華寺は交通の便は悪いですが写真家にとって良いお寺です。立派な庭があり秋には綺麗な紅葉や敷もみじがみられます。池のある庭園も見事で「そうだ 京都、行こう」のキャンペーン寺に選ばれたこともあり、人気のお寺です。

この日も少し人がいました。底冷えという言葉がぴったりで畳が寒いです。畳の寒さを写し込もうとしてみたのですがどうでしょうか。庭園の池の表面は凍りついていましたが、その中では元気に鯉が泳いでいました。

13:30 鴨川デルタでの不思議な出会い

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出町柳駅まで戻ってきて鴨川デルタでゆっくりしようかなと思って訪れるといつもは見ない屋台が有りました。こんな雪の日に鴨川デルタでラーメン売ってました。近くの大学の研究の一環だそうです。そういえば朝からカフェオレ飲んだだけということに気づき、ラーメンをいただきました。

ラーメンを食べた5分後

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ラーメンを食べて出町柳駅に戻っていたら再び激しい雪が降り出しました。屋台の大学生たちは大丈夫かなあとおもいながら出町柳を後にしたのでした。

14:00 三条で降りてみる

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三条で降りてみると足元の雪はだいぶ溶けたがまだチラホラ雪は降っているという状況でした。「あー、雪融けちゃったか」と残念な気持ちになるとともにまだ雪が降っていることが少し嬉しい。先斗町を歩いていると、雪は少しづつ止んで四条河原町につくころにはすっかり雪がなくなっていました。

大雪と宵山

2018年の冬も大雪が降ったら京都に出かけて写真を撮ろうと思い、心の準備をしていました。しかし2018年は大雪が降らず。2017年の思い出の写真を「このときは良かったなあ」と思いながら見るだけでした。

大雪の京都には魔力があります。その魔力は祇園祭の宵山に感じるものと同じです。祇園祭は1ヶ月ほどの長いお祭りですが一番のハイライトの日、宵山というものがあります。宵山は屋台が並び、人がごった返し、京都の街が色めき立ちます。同時に京都の持つ歴史や土地の匂いがこれでもかと空気を埋める日でもあります。そういった言葉では説明できないエネルギーが京都には有るのです。

大雪の京都は宵山と同じように京都のエネルギーを感じさせてくれました。宵山とは逆に色とりどりな建造物や人の匂いを雪が消して、より直接京都らしさを感じることができました。あの匂いをもう一度嗅ぎたい。わたしは京都に今一度大雪が降るのを待っています。